エアコン豆知識

業務用エアコンの耐用年数

2014.11.10

業務用エアコンは決して安い買い物ではありません。購入するからには出来るだけ長く使い続けたいものです。そこで気になるのが業務用エアコンの寿命、いわゆる『耐用年数』です。業務用パッケージエアコンの寿命はエアコンの種類や使用環境によって異なりますが、一般的な目安としてしばしば『法定耐用年数』というものが使われます。

 

『法定耐用年数』とは固定資産の会計手続きに用いるために定められている期間のことで、一般的に設備の寿命の指標としても使われています。これによると、備品としてのエアコンなら6年、もっと大きな設備としてエアコンなら13年または15年となっています。備品と設備のどちらに分類されるのかはダクトの有無で判断します。業務用パッケージエアコンの多くはダクトが敷設されていますから、一般的な業務用エアコンは耐用13年や15年と省令上では定められていることになります。

 

しかし、実際には全てのエアコンがきっちりこの期間で寿命を迎えるということは考えづらいことです。法定耐用年数よりも長く使い続けられるエアコンもあれば、これよりも短い期間で故障してしまうものもあるかもしれません。そのため、実用上は故障せずに使用できる期間をエアコンごとに知る方が重要です。これはパッケージエアコンの部品ごとに『故障寿命』とか『物理的耐用年数』などの名前で定められています。

 

『物理的耐用年数』とは定期的なメンテナンスをすることで故障を最小限に抑えることができる期間のことで、部品ごとに決められています。例えば、フィルタは5年、防振ゴムは10年などとなっています。物理的耐用年数はこの期間を過ぎれば使えなくなってしまうというわけではなく、定期保全をすることで故障を防ぐことができる期間を指しています。物理的耐用年数を過ぎると、部品が磨耗し故障率が上がります。

 

また、業務用エアコンは運用にも費用がかかる設備です。使用しているうちに冷暖房効率が落ちてしまったり、修理や部品交換の頻度が増えてしまったりして運転費用が経済的につりあわなくなってしまう場合も考えられます。故障していなくてもランニングコストが増大すれば買い替えの検討に入らざるを得なくなるので、経済的な意味では寿命を迎えたということができるかもしれません。このような寿命を『経済的耐用年数』といいます。業務用パッケージエアコンの寿命は、この経済的耐用年数で考えるのがもっとも実用上の実感と合致するのではないでしょうか。

 

『経済的耐用年数』は機種ごとに特に定まっているものではなく、使用環境によって大きく変わってきます。初期状態はまったく同じでも、メンテナンス無しで運転し続けたエアコンは早くから機能や性能が低下し始め、やがて使用限界が訪れます。一方、定期的にメンテナンスを実施したエアコンは故障が最小限に抑えられ、性能の低下も緩やかです。適切なメンテナンスを実施することで、経済的耐用年数は長寿化することができるのです。

 

『法定耐用年数』(13年)と部品ごとの『物理的耐用年数』(5年~10年)の間に開きがあることから、法定耐用年数まで故障知らずで使用するためには定期的な点検・保全が前提となっていることがわかります。また、ランニングコストの上昇を抑えるためにはメンテナンスが欠かせません。ですから、業務用エアコンの寿命はメンテナンス次第で、5年にも15年にもなるものです。

 

3種類の耐用年数を紹介しましたが、いずれにしてもあくまで故障率や運用費から算出された数字です。したがって、場合によってはこれを超えて使い続けることができる場合もあるかもしれません。しかし、耐用年数を過ぎたエアコンをずっと使用し続けていると、いざ故障が発生した際に修理費用が高額になってしまったり、修理部品の入手が困難で修理が出来なくなってしまったりする可能性もあります。

 

これを防ぐためにも定期的な点検・保全といったメンテナンスを行うことをおすすめします。メンテナンスをすることでエアコンの寿命を延長できたり、維持費を削減することもできたりするので、結果的にはコスト削減にもつながるのです。

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